はじめに
「心理学人物シリーズ」では、心理学に登場する重要人物について解説します。
今回は、ユング!
フロイトの弟子として出発したユングですが、やがて独自の「分析心理学(Analytical Psychology)」を提唱し、心理学に新たな道を開きました。
覚えておきたいキーワードや著書とあわせて、ユングの考え方を確認していきましょう。
ユング(Carl Gustav Jung)とは
カール・グスタフ・ユング(1875年〜1961年)は、スイスの精神科医・心理学者です。
フロイトと深い交流を持ち、精神分析の発展に寄与しましたが、次第に理論の違いが大きくなり決別。
その後、独自に「分析心理学」を打ち立て、「個性化」や「元型」など独特な理論を提案しました。
ユングの分析心理学とは
ユングの分析心理学では、特に次の3つの概念が重要です。
① 心の構造
ユングは心の構造を次のように考えました。
② 元型(Archetype)
集合的無意識に存在する普遍的なイメージやテーマのことを「元型」と呼びます。
代表的な元型はこちら。
③ 個性化(Individuation)
個性化とは、心のさまざまな側面(意識と無意識)を統合し、唯一無二の自分らしさを完成させていく過程です。
人生の成熟や自己成長を目指す上で重要な概念とされています。
ユングのタイプ論
ユングは人間の性格を次の2つの態度と4つの機能で分類しました。
態度(Attitudes)
心理機能(Functions)
この組み合わせによって性格タイプが決まる考え方は、後のMBTI(性格診断ツール)などにも影響を与えています。
ユングの覚えておきたい著書
ユングの主な著書とその内容はこちらです。
- 『心理学的タイプ(Psychological Types)』(1921年)
→ タイプ論を解説した著書。性格の違いを態度と機能で分類。 - 『人間と象徴(Man and His Symbols)』(1964年)
→ 一般読者向けに無意識や元型をわかりやすく解説した入門書。 - 『自我と無意識の関係(The Relations Between the Ego and the Unconscious)』(1928年)
→ 個性化の過程や心の統合について述べた理論書。
試験対策では、特に『心理学的タイプ』と『人間と象徴』を押さえておくと安心です。
おわりに
ユングの理論は、自己理解や成長のプロセスを深く考える上で重要です。
「無意識」という概念を、フロイトよりも広く人類的な視点で捉えている点が特徴です。
試験でも「元型」や「タイプ論」が出題されやすいので、しっかり覚えておきましょう。
まとめ
ユングの理論は次のポイントが重要です。
キーワード
- カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)
- 分析心理学(Analytical Psychology)
- 集合的無意識(Collective Unconscious)
- 個人的無意識(Personal Unconscious)
- 元型(Archetype)
- ペルソナ(Persona)
- シャドウ(Shadow)
- アニマ(Anima)
- アニムス(Animus)
- セルフ(Self)
- 個性化(Individuation)
- タイプ論(Psychological Types)
- 外向(Extraversion)
- 内向(Introversion)
- 思考・感情・感覚・直観
- 『心理学的タイプ』
- 『人間と象徴』
- 『自我と無意識の関係』
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