【心理学人物⑨】スキナー徹底解説|オペラント条件付けと行動分析まとめ

「心理学人物シリーズ」では、心理学に登場する重要人物について解説します。


今回は、スキナー!
スキナーは「オペラント条件付け」の提唱者であり、行動の変化を科学的に分析する「行動分析学」の基盤を築きました。


覚えておきたいキーワードや著書とあわせて、スキナーの考え方を確認していきましょう。

スキナー(Burrhus Frederic Skinner)とは?

B.F.スキナー(1904-1990)はアメリカの心理学者で、行動主義心理学の代表的な人物の一人です。
彼は行動を「強化」によって変化させることができると考え、心理学の研究に厳密な実験手法を導入しました。

オペラント条件付けとは?

オペラント条件付け(Operant Conditioning)とは、行動の結果に応じてその行動が強化されるか、弱化されるかが決まる学習のプロセスです。
スキナーはこの理論を実証するために「スキナー箱(Skinner Box)」を用いた実験を行いました。

強化と罰の種類

スキナーは行動の強化と罰を以下の4つに分類しました。

  1. 正の強化(Positive Reinforcement):行動の後に報酬を与えることで、その行動の頻度を増やす。(例:子どもが宿題をしたらお菓子をあげる)
  2. 負の強化(Negative Reinforcement):嫌悪刺激を取り除くことで、行動の頻度を増やす。(例:うるさいアラームを止めるために目覚ましを消す)
  3. 正の罰(Positive Punishment):不快な刺激を与えることで、行動の頻度を減らす。(例:ルールを破ったら罰として罰金を払う)
  4. 負の罰(Negative Punishment):望ましいものを取り上げることで、行動の頻度を減らす。(例:成績が悪かったのでゲームを禁止される)

スキナーの主な著書

スキナーの理論を学ぶうえで重要な著書を紹介します。

  • 『自由と尊厳を超えて(Beyond Freedom and Dignity)』(1971年)
    スキナーはこの本で、人間の自由や尊厳という概念を行動分析の観点から批判し、社会の構造を科学的に設計する必要性を説きました。
  • 『行動の原理(The Behavior of Organisms)』(1938年)
    行動分析学の基盤を築いた代表的な著作で、スキナーのオペラント条件付けの基本が詳しく述べられています。
  • 『私たちはどこへ行くのか(Walden Two)』(1948年)
    ユートピア社会を題材にした小説で、行動分析に基づいた理想的な社会のあり方を描いています。

まとめ

B.F.スキナーは、行動の変化を科学的に研究し、「オペラント条件付け」という概念を確立しました。
彼の研究は教育、臨床、組織心理学など多岐にわたる分野に影響を与えています。
行動の仕組みを理解することで、私たちはより良い学習環境や社会を築く手がかりを得ることができます。

キーワード

  • オペラント条件付け(Operant Conditioning)
  • スキナー箱(Skinner Box)
  • 強化(Reinforcement)
  • 罰(Punishment)
  • 行動分析学(Behavior Analysis)
  • 自由と尊厳を超えて(Beyond Freedom and Dignity)
  • 行動の原理(The Behavior of Organisms)

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