【体験談】地域おこし協力隊の実態とは?

地域おこし協力隊に興味があるけれど、実際の生活や仕事はどうなのか気になる人も多いのではないでしょうか?

私は2022年4月から、とある市町村で地域おこし協力隊として活動しました。

この記事では、「生活」「仕事」「人間関係」「起業」 の4つの観点から、リアルな実態をお伝えします。

地域おこし協力隊の生活

車がないと生活が厳しい

地域によっては、仕事用の車を貸してもらえることもありますが、基本的にプライベートでは使えません。そのため、移住後の生活を考えると、車はほぼ必須です。買い物や移動に不便を感じるだけでなく、せっかく移住したのに地域のいろんな場所に行けなくなってしまうのはもったいないですよね。

最低でもバイクがあれば移動できますが、冬に雪が積もる地域や道路が凍る地域では、やはり車があったほうが安心です。安い中古車でも十分なので、早めに手に入れておくことをおすすめします。

家探しは慎重に

地域おこし協力隊として採用されたら、まず考えなければならないのが住む場所です。自治体が住宅を用意してくれるケースもありますが、自分で選べる場合は、自分の希望に合う家を探したほうが後悔が少ないと思います。

おすすめは 定住促進支援住宅 です。市営住宅の一種で、家賃が安く、部屋も広め(2DKくらい)なので、コストを抑えつつ快適に暮らせます。私の地域では、移住者向けの支援として 2年間家賃1万円引き という制度があり、非常に助かりました。

ただし、市営住宅なので築年数が古く、隙間風が入ったり、排水溝が汚れていたりと、不便に感じる部分もあります。でも、住んでいるうちに「安いし、まあいいか」と割り切れるようになりました。

他には、空き家バンクにある家を購入して住むという方法もあります。実際にやった人は、空き家を100万円で購入して、改修工事で200万円ほどかかったそうです。人脈がある人は、空き家をタダでもらっている人もいました。その家を民泊として人に貸し出すビジネスにするということもできるので、家の購入はいいなと思いました。
でも、まずはその地域に慣れるために賃貸で住んでみるということを私はおすすめします。

環境の変化によるストレスに備える

引っ越し、仕事の変化、慣れない土地での生活と、移住直後はかなりのストレスがかかります。

もし可能なら 仕事が始まる1週間前くらいには引っ越して、生活の準備を整える時間を確保 するといいです。

その間に、必要なものを揃えたり、近所のスーパーやドラッグストアをチェックしたりして、スムーズに新生活をスタートさせることをおすすめします。

地域おこし協力隊の仕事

具体的な活動内容

隊員の仕事は地域によって異なりますが、以下のような業務が一般的です。

  • 地域の観光PR(SNS運用、イベント企画)
  • 農業や特産品開発のサポート
  • 空き家活用や移住支援
  • 伝統文化の継承や活性化

自治体からの指示で動く場合もあれば、自分で企画・提案することもあります。

仕事とプライベートの境目があいまい

「休日なのに仕事の相談をされる」「地域の人から常に頼られる」など、公私の区別がつきにくい場面もあります。しっかり線引きすることが大切 です。

給与や待遇

地域おこし協力隊の給与は 月額16万〜25万円程度 で、自治体によって異なります。社会保険はありますが、退職金は基本的にありません。

人間関係のリアル

「起業は何するの?」と聞かれるプレッシャー

地域おこし協力隊は3年後の自立が前提。そのため、移住直後から「起業は何するの?」と頻繁に聞かれます。

何も決めていないと気まずいので、ある程度の方向性を考えた上で移住するのがベター です。

地域おこし協力隊には個性的な人が多い

地域おこし協力隊には、年齢やバックグラウンドが全く異なる人が集まります。そのため、最初から仲良くなろうとするより、 まずは距離感を保って相手を観察する のが無難です。

地域おこし協力隊は「これから長く住む」ことが前提になるので、人間関係も慎重に築いたほうが良いと感じました。また、 小さな地域では噂が広まりやすく、車のナンバーや顔もすぐ覚えられます。「この前どこどこで見かけたよ」と言われることも多いので、行動には気をつける必要があります。

行政の担当者とは良好な関係を築くべき

行政職員とはできるだけ良好な関係を築くことをおすすめします。実際に、担当者と口論になった結果、移住してわずか3ヶ月で実質的に契約を打ち切られた人を見たことがあります。

特に、「聞いていた話と違う」という状況は起こり得ます。しかし、その際の対応次第では、「契約を更新しません」と言われてしまう可能性があることを理解しておくべきです。

大切なのは、不満をそのままぶつけるのではなく、「こういう対応はできませんか?」と提案する形で伝えることです。行政職員も組織に雇われている立場であり、民間企業とは異なるルールのもとで働いています。そのため、文句を言ったからといって待遇が良くなるわけではなく、むしろ「厄介な人」と思われてしまうこともあります。

状況を改善するためには、できるだけ穏やかに、自分の考えや希望を伝えるようにしましょう。

起業に向けた準備

ある程度の事業計画を考えておくべき

「地域おこし協力隊として活動しながら、ゆっくり考えればいいかな」と思っていたのですが、それだと周囲の期待とのギャップが大きく、精神的にしんどい時がありました。

少なくとも 「こんな事業に興味がある」「これをやってみたい」という方向性を決めてから移住する ことをおすすめします。しっかり調べ、自分が本当にその事業をやれるのか、事前に考えておくと後々楽になります。

意外と時間がない

地域おこし協力隊の仕事をしながら、自分の起業計画も進めていかないといけないので、意外と時間がないです。なので、おすすめは移住してから3年間の計画を大きく立てて、それから1年ごと、1ヶ月ごと、1週間ごとと計画を立てて進めた方がいいと思います。ざっくりとで良いと思うので、計画を立てることをおすすめします。

起業支援金の申請

起業支援金を申請する場合、事前に行政と商工会への確認が必要です。特に 毎年10月ごろには、行政の担当者に「来年度の起業支援金を予算計上してもらうか」確認する必要があります。これを怠ると、申請しても支援金がもらえない可能性があるので注意してください。

また、起業支援金を申請するには 商工会の担当者からの承認が必須 です。商工会とのやり取りには 最低でも1ヶ月 はかかるため、早めに相談することをおすすめします。起業の内容が固まっていなくても、商工会の担当者が一緒に強み分析をしてくれたりもするので、まずはアポをとってご挨拶に出向いてみるのがいいと思います。

100万円は意外と少ない

例えば飲食店を始める場合、家賃、厨房機器、内装工事などで100万円はすぐに消えてしまいます。そのため、事前に 貯金をしておくか、資金調達の手段を考えておく ことが大切です。

起業は思ったよりお金がかかるので、支援金だけに頼らず、資金計画をしっかり立てることをおすすめします。

「周りは助けてくれない」と思ったほうがいい

起業は 自分で考え、決めて、動く力が必要 です。

会社員マインドのままだと難しい です。

会社員は「言われたことをやる」のが基本ですが、起業はその逆。「自分で考え、決めて、動く」ことが求められます。

最初は戸惑いましたが、AIなどを活用して 自分の強みややりたいことを分析し、事業計画書に落とし込む のが大事だと感じました。何をするかが決まれば、あとは行動するだけなので、少し楽になります。

まとめ

地域おこし協力隊は、地域に貢献しながら起業を目指せる魅力的な制度ですが、「移住後にどうするか」を考えておかないと苦労する場面も多い です。

特に、 車や住居の確保(生活環境を整える) 仕事とプライベートのバランス(公私の線引きをする) 人間関係の構築(行政・住民と適切な距離感を保つ)起業の準備(方向性を決めてから移住する)

この4点を意識しておくことで、スムーズに協力隊生活を送ることができるでしょう。

「地域おこし協力隊に興味がある」「移住を考えている」という方は、ぜひ参考にしてみてください!

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